ワイヤーの出貌

 ワイヤーロープが出回るようになると縦道ではよく利用した。
下りの 場合、細いワイヤーの端を坂の上に固定しておき、図のようにそれに沿 って下っていく。
木馬の梶棒にワイヤーを巻きつけて加減しながら進む が、傾斜によって巻きづけ方を増していく。
  長い縦道ではワイヤーを二本、三本次々に引っ張っておいて順次、 架け替えながら下る。
このようなことから木馬作業もかなり楽にはなった が、それでもやはり危険な仕事には変わりなかった。

もちろん木炭の運搬も木馬で行った。私自身、作業光景は懐かしいか ぎりであるが、世の移り変わりとともに知る人もいなくなり、近い将来 すっかり忘れさられてしまうのだろう。
 ちなみに集材した木炭材を釜場(炭焼き場)に運ぶ場合、短距離で はあるが、小さな木馬を使用した。現在でも使用されているだろう。

牛木馬

牛木馬についてふれてみょう。長い距離の 肋道、(平坦な道)あるいは緩やかな 上り坂には牛木馬を用いる。 急勾配の縦 道は不向きである。
 材木の積み込み場には、木馬三台分が 楽に積み上げられる大きな盤台を設けた。
長距離の場合、牛木馬の二、三台では間 に合わず、五、六台も入ることもあって、 そのぶん盤台も大規模になる。
 盤台の材木を木馬に積み終えるといよ いよ牛の出番であるが、出発までにはいま 少し準備がいる。鞍の装着である。