湧かす


中継所で山積みした材木をつぎの修羅へ出す場合、滑りやすくするために雨降りか 雨上がりの日を選ぶ。
長く雨がないときはおうおうにして水をかけてから修羅出し する。
 山積みの材木を一挙に崩すことを「湧かす」という。
危険が伴う。
まず出伐夫が取りやすい材木、邪魔になる材木を除きながら崩す見込みを立てる。
そしてもっとも素軽い者が一人、見込みを立てて材木を鶴嘴で外し、同時に逃げる。
すると材木はいもがゆが湧くようにして修羅を伝っていく。
ここから「湧湊かす」という語が出たのである。

奈留修羅



闊葉樹の修羅出しで先端(終点) に必ず つくる奈留修羅について説明する。
まず 竿を引き1メートル間隔に枕を置き、針金で 固定する。
ついで枕の上に細長い雑木を並 べる。
この場合、山内でもっとも太いと思 われる材木を基準に幅を決める。
並べた雑木 に切り噛ましと切り込みを施し、針金で とめる。
切り噛(か)ましは溝途の高低調節、枕 との密着のため、切り込みは運材が針金にかから ないためのものである。
 溝途ができるとその両脇に長い太い木を置き、 同様に切り噛ましと切り込みを施しクサビで固定 する。
最後に外に開かないように迫りを差し込む とでき上がる。
差し込めないところでは竿や枕か ら束で外に開かないようにする。
いずれも材質は 問わないが、溝途だけは堅い雑木でなければなら ない。
また杉、檜材の搬出に比べて闊葉樹のそれ はすべてにわたって頑強な巧斜を必要とする。
 奈留修羅をつくり終えると、つぎに打ち付け修 羅にかかる。
図のように奈留修羅の後ろにつぎつ ぎとかけていく。
このさい、奈留修羅をかける前 に止め補子をつくっておかなけれはならない。