クラッチ付きの台車 


伐採した山内の状況や地形を考慮して、軸になる架線(幹線)を架設し、そこから遠く 離れた伐木は修羅、木馬、支線などで集材するが、ときどき不都合が生じる。
たとえば、 架線から遠くてしかも少量、架線より下方の集材である。
このょうなときは、最初から 見通しをたてたうえで起点を下げるか、それとも引き合わないとみて立ち木のまま捨て るかの判断をする。
一方で、こうしたむだや不合理をなくするためクラッチ付き台車が 発明された。
クラッチ付き台車には愼(は)め込み式と差し込み式がある。
愼め込み式は、本線の作動 中にはめ込むと急激なショックがあるため、作動を一時中断してクラッチをはめ込んで 作動する。
差し込みは徐々に差し込めるので作動中でも差し支えない。
この手法はめった に使わないため、出伐作業員でも知らない者は多く、これ自体、集材機の開発であまり活 用しないまま姿を消してしまった。

集材設備 


山内の伐木を幹線に集める方法の一つに幹線の惰力を利用することがある。
掛け回し式と クラッチ式がその代表である。
図のように勾配のない場合、幹線の台車にテールをかけ回し、架線と同じ巧斜をして幹線 の惰力を利用する掛け回し式を用いる。
回転率が本線と同じであり、本線と同等の効果が 得られる。
この手法は掛け替え方式(縛り替え)と同じで、盤台に集積する必要はなく、つぎつぎと土場 に向かって運材できる。
クラッチ式では回転率が本線の三分の一程度におちるため、馬力が強力であり、急傾斜の 上りにかぎり使用し、勾配のないところでは、掛け回し式と同様、幹線の惰力を利用した。
 掛け回し式、クラッチ式いずれも方向や場所は一定しないので、その都度、小さな滑車を 使って向き、場所を変える。